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本当の基本とは!-予想と実際ー

Gritでは「ほんとうの基本」とは何かを追求しています。そこで今回はGrit流「基本勉強法」について考えてみたいと思います。

ふつうの基本とほんとうの基本

まず第一に注意しなければならないことは、Gritが考えている基本は、ふつうの意味での基本とはちがうということです。よく、みなさんは「基本問題はできるのだけれど、応用問題ができない」と言いますが、そういうときの基本がふつうの基本です。それは簡単な数学の計算だったり、漢字の読み書きだったり、基礎的な英文法や英単語の知識などだったりですね。 つまり、ふつうの基本とは生徒がそれまでに獲得した勉強の基礎的な知識や技能のことであり、基本問題とは、そう言う知識や技能のひとつをそのまま使えばできるような問題のことです。 さらに基本問題はどのような知識や技能(=問題を解く上で使う道具)を使えばよいのか迷わなくてすむように作られているのです。だから、やさしいはずですね。
ところが応用問題はちがいます。まず、問題を解くのにどういう道具を使えばよいかがまぎらわしく作られているし、しかも、たいていはひとつではなく二つ以上の道具を組み合わせて使わなければ解けないようになっています。 さらに難しい問題になると、勉強によって獲得された知識や技能という道具ばかりでなく、さらに社会常識や特別なヒラメキなども動員しなければ解けなくなっています。 そして、入試で受かるか落ちるかを決めるのは、基本問題ではなく応用問題ができるかどうかにかかっています。 したがって私たちの考えている基本とは、やさしい基本問題ができるようになるための基本(=基礎的な知識や技能の獲得)のことではなく、応用問題ができるようになるための基本です。 すなわち、それまでに自分が獲得した知識や技能という道具を、問題を解くときに使いこなす能力のことです。つまり道具を選び、組み合わせ、それを使いこなしていく能力が、本当の基本であり、その能力を養成するトレーニングがGritの基本練習法です。
ところで、この道具を使いこなす能力は考える能力といってもよいと思われます。なぜなら、この道具は頭の中にある道具であり、道具を使うといっても、それは頭の中で行われる作業だからです。そうして、そういう頭の中での作業が、ふつう「考えること」と言われているのですから。したがって、私たちの考える「本当の基本」とは「考える能力のことであり」、Grit流「基本練習法」とは結局、考える能力をつけるためのトレーニング法のことだということになります。

予想と実際

それでは次に、文章読解を例にあげて基本練習法を考えてみましょう。 みなさんの中には、小説などの文学的文章を読むのは好きだが、論説や評論文など論理的文章は苦手だという人が多いと思います。 たしかに一生懸命読んでも、論理的文章の場合、部分的には少し分かるが、全体として何を言っているのかよく分からないということがよくあります。つまり文脈が見えてこないわけです。では、そういうむずかしい文章に直面したときにどうすればよいか。ここで基本練習法を使ってみましょう。 基本練習法とは頭の中にある道具を使いこなす練習でした。では、文章読解の場合の道具とは何でしょうか。それは「ここはこんなことを言っているのだろう」という自分で作る予想です。(たしかに、漢字や言葉の意味も道具だけれど、それだけでむずかしい文章が読めるわけではない。だから本当の基本ではありません。)
さてその練習法ですが、それはまず自分で予想を作っておき、その予想を道具にして実際の文章を読んでいき、自分の予想があっていたかどうか確かめる。そして、ちがっていたら自分の予想の方を修正していくという練習法です。 もう少し具体的に言うと、文章全体の予想をいっぺんに作るのはむずかしいから、文章をいくつかのブロックに分けます。(形式段落でもよい。)次に、それぞれのブロックをザッと読みながら予想を作り、どこかにメモしておく。それから、実際の文章をもう一度読みながら、予想があっているかどうか確かめ、文章全体の流れを考えるという練習です。
文章を読むときの注意点として、「自分の先入観を持ちこまず、白紙の状態で作者の意見をそのまま受け入れなければならない」と言われます。しかし、むずかしい文章の場合には、そういう読み方をしても作者の言いたいことは結局分かりません。なぜなら、自分の頭が働いていないからです。
それに対して、この自分の予想を作って実際の文章に当たるというやり方は、いわば強制的に頭を働かせながら文章を読むためのやり方です。なぜなら、頭の中に予想と実際という二つのものがあると、意識的にそうしようとしなくても自然に頭がその二つのものを比較してくれます。つまり自分で考えようとしなくても勝手に頭が働いてくれるのです。

まちがいを恐れずに

最後に、この予想と実際という文章読解の練習を行う上での注意点をいくつかあげておきましょう。 まず第一は、この自分の予想という道具を作るための材料は何かという点についてです。その材料は、今までに蓄えられた自分の知識ですが、これは何も勉強で得た知識には限られません。自分の生活経験において獲得した知識のすべてを自由に使ってよいのです。頭がやわらかい生徒が勉強ができると言われますが、その「頭がやわらかい生徒」というのは、自分の生活経験の中の知識を自由に勉強の材料にしてしまう生徒のことです。
注意点の二番目は、文章というのはひとつの流れだから、流れを意識して予想を作らなければならないということです。作者は何か「言いたいこと」があって文章を書きます。その「言いたいこと」は、いわば旅の目的地みたいなもので作者はその行き方を読者に示そうとして文章を書いています。だから読者は、その目的地への行き方=文章の流れを意識しながら予想をたてなければなりません。 もちろん予想はあくまでも予想ですから、自分が作った予想が実際の文章とちがっていることもあります。また目的地への行き方(=文章の流れ)でも、まったくちがった道順を考えてしまうかもしれません。しかし、まちがいを恐れてはいけません。だいたい練習するということは、うまくできないから、できるようになるために練習するのです。練習を続けているうちに、だんだん文章を読みながら頭を動かすことができるようになってきます。なぜなら、先ほども述べたように、頭は予想と実際という二つの素材があれば、考えようとしなくても自然に考えてくれるのですから。みなさんがすることは頭の中に予想と実際という二つのものをそろえるだけです。
もっと具体的に言うと、自分の予想を持ちこみながら実際の文章に当たってみるということです。そうすれば、あとは頭が勝手に考えてくれます。勝手に練習してくれます。Grit流文章読解の基本練習法をためしてみてください。

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